木原直哉氏×野崎慎吾氏 3MPCスペシャルアドバイザーが語る日本のポーカーの課題

3月24日(火)21:30より、ポーカー上達のためのオンラインサロン「3MillionPokerClub(以下、3MPC)」のyoutubeチャンネル内で、日本においてトップレイベルのプロポーカープレイヤーである木原直哉氏と野崎真吾氏のスペシャルアドバイザー就任会見が行われた。

アドバイザー2名のほか、就任会見には3MPCを運営する株式会社Re-Raiseの代表、田中一真と、運営代表執行役員でチーム3億円の創設でもある青山輝久も参加。今回の発表で明らかになった新制度についてはもちろん、今後のビジョンやポーカーに関する考え方、コミュニティが長く続くための秘訣などを語ってもらった。


プロフィール

【3MPC Special Advisor 木原直哉氏】
北海道出身、東京大学理学部卒業後、プロポーカープレイヤーの道に進む。以来、米国を中心に数々のトーナメントに出場し、2012年に世界ポーカー選手権大会(WSOP2012)では、日本人として初めて世界選手権に優勝しブレスレットを獲得。その後、世界一のポーカーオンラインサイト「ポーカースターズ」と専属契約。現在まで、ポーカープロとのポーカーの普及活動の両軸で勢力的に活動し、ポーカープロとして日本唯一無二の成績を残しつつ、数多くの著書を出版している。

【3MPC Special Advisor 野崎真吾氏】
日本ポーカー界における「パイオニア」のひとり。ポーカー歴は約15年。プレイヤーとしては日本ポーカー界でトップクラスの実力を持ち、キャッシュゲームのメッカであるWynn Macauを主戦場とし、その中でもハイステークスゲームを数多くプレイ。 また、世界で活躍する数多くのプロプレイヤーから師匠的な存在として慕われている。

【青山 輝久】
チーム3億円の創設者であり、共同経営者。 本PJTでは、プロダクトの責任者を努める。 プレイヤーとしては、Poker Starsでの200NLのレートを勝ち越す実力を持つ。

【田中一真】
株式会社Re-Raise代表取締役社長、同社では、戦略コンサルティングならびに企業のあらゆるファンクションのデジタル化を支援するデジタルコンサルティング業務に従事。


【Q.お二人はどのような経緯でスペシャルアドバイザーに就任されたんですか?】

木原:長期的なポーカー界の発展を考えている3MPCのビジョンに共感し、今回アドバイザーとして就任させていただくことになりました。まだ日本のポーカー界は小さいですが、これからポーカー界を盛り上げてもっと大きくしたいと思っている人たちが運営していることが、大きな決め手でしたね。みなさんに直接コーチをする機会はあまりありませんが、ミックスゲームなどに関しては他のコーチが教えることのできないことをお伝えできるのではないかと考えています。

野崎:ポーカーに関する良質な記事やコンテンツはたくさんありますが、それらが一体化されたものはなかなかありません。自身でも一体化されたコンテンツを作り、ポーカーを広めていきたい!と思っていたところ、クラブハウスというSNSを通じて、3MPCのメンバーと知り合いました。いっしょに組んでやればその目標に到達できる、お互いの目標が一致したことがアドバイザー就任の大きな理由です。メンバーと共にポーカー界の発展に貢献できればと思っております。

【Q.お二人にとってポーカーとはどのようなゲームですか?】

木原:難しい質問ですが、自分にとってはいくつかあるゲームの中でいちばん職業として成立しやすい、それだけで食べていくことが可能なゲームといった印象でした。もちろん、長くプレイしているので愛着もあります。遊んで食べているように思われますが、私自身、楽しいのでポーカーをやっているというのが本心です。そして今は、ポーカーをするのはこんなにも楽しいことなんだよ!ということを、みんなにも知ってもらいたいとも思っています。向いてない人に無理にポーカーを勧めるということではなく、いままで機会がなかっただけという人にもポーカーに触れてもらって、新しい趣味として楽しんでもらえればと思っています。ポーカーとのいい付き合いを次につなげていきたい。これがポーカーへの恩返しというか、今の自分の存在意義なのかなと思っています。

野崎:どんなゲームかと言われると難しいですが、なぜポーカーをしているか?と言われると、まず第1に楽しいことですね。私は楽しいことややりたいことをやるのはもちろん、自分の能力が収入に直結し反映される環境で生きていきたいと思っていました。いろいろやっている中でポーカーに出合って、やりがいを感じてやっている。仕事といえば仕事ですが、あまりそういう意識はなくて、自分の限界や能力を試しているといった感覚なんです。

田中:具体的に、野崎さんがポーカーを楽しいと思える瞬間はどんなときですか?

野崎:ものすごく弱い手でコールするときですね(笑)。手は弱いんだけど、総合的に考えた末にコールするしかない!という決断をするときが楽しいです。もちろんイタイ目にあうこともありますが、そういったことを含めて楽しい瞬間だと思います。

【Q.今回発表された新体制はいつからスタートしますか?】

田中:会員様との交流など、現在テスト的に新体制を始めておりますが、正式には4月1日からのスタートを予定しております。

【Q.今後ゴールドプランやプラチナプランの増員はありますか?】

田中:増員に関しては現在検討中です。3MPCでは現在、限られた人数で運営をおこなっており、現状の体制のまま定員人数を増やしてしまうと、上質なコンテンツの提供が難しくなるのではと考えております。

【Q.​アプリなどのコンテンツは有料ですか?】

田中:プランにより一部例外もございますが、会員であればほとんどのコンテンツが無料で閲覧できます。

【Q.​snowie、PioSolverといった世界標準のアプリケーションがある中で、3MPCが新しいアプリケーションを作る意義とはなんでしょうか?】

野崎:今、3MPCが制作しているアプリは、snowieやPioSolverといったアプリとは毛色が異なる内容となっています。具体的には、上記2つのアプリがデータを分析するためのツールだとすれば、3MPCはそういったデータを理解するために必要なポーカーの概念を勉強するためのアプリという感じです。概念を勉強するためのアプリというのは他にはないので、手軽に勉強することのできるアプリケーションとなることを目指しています。

田中:snowieやPioSolverは操作も難しく、初心者にはハードルが高く感じるかもしれませんが、3MPCでは誰もが必ず最初に見る必要なデータだけを集め、より簡単にアクセスできるよう整備を進めております。

【Q.3MPCのオンライン交流会等に参加される予定はありますか?】

木原さん&野崎さん:あります!!もちろん参加します。

【Q.他のオンラインポーカー教室に参加したのですが、会話のレベルが高すぎてついていけませんでした。今後、初心者向けの本などの出版予定はありますか?】

野崎:本に限らず動画などの初心者向けコンテンツは最初に充実させたい内容ですね。まずは初心者からスタートし、コーチングが受けられるような上級者になるまでのロードマップを作っていきたいと考えています。

木原:単にポーカーが強いというだけなく、強くなる過程や強くなったあとのことをきちんと理解したうえで指導しなくてはならないと思います。強い人って自分のレベルで会話をしてしまうので、初心者の立ち場になって教えてあげることが難しいんですね。初心者のころのステップアップのことはわかっても先のことがわからない、先のことはわかっていても初心者のころのステップアップがわからないだと、なかなか伝わらない。今後はこういう指導方法についても自分と野崎さんの経験で力になりたいと思っています。

野崎さん:第三者の目線からコンテンツを見ていくのがアドバイザーとしての私たちの役割ですね。

木原:実際に動画などのコンテンツを作るのは既存のコーチたちですが、内容を見て「ちょっとわかりにくいんじゃないの?」とか「こういう風にしたらもっとわかりやすいかも」といったアドバイスを行っていくイメージですね。

田中:初心者向けコンテンツを充実させるということは、今上がっている大きな課題のひとつ。今後はアドバイザーのお二人を中心に開発、提供していきたいと思います。

【Q.趣味レベルの人でも楽しめるコンテンツはありますか?】

野崎:コンテンツを提供するにあたり、きっちりとしたレベル分けは重要ですね。例えば、麻雀だと天鳳という対戦麻雀サイトの段位を目安にクラス分けをするそうです。3MPCでも今後、例えばポーカースターズのステークスで10NLまでの内容、25NLクラスまでの内容というような形で、自分の目的やレベルに合わせたコンテンツを選択できるようにしていきたいですね。

【Q.今後リアルイベントは開催されますか?】

田中:コロナウイルスの影響で難しかったリアルイベントですが、緊急事態宣言が解除されたこともあり、今後は情勢を鑑みつつ、交流会などのオフ会も順次開催していきたいと思います。また、大会という意味では、アミューズメント企業とのコラボ大会などを検討しております。

【Q.コンテンツ増加により月会費が上がる可能性はありますか?】

田中:今後会費が上がる可能性もありますが、そうなった場合でも現状会員になられている方は、現在お支払いいただいている価格にてご利用いただけますのでご安心ください。

【Q.木原さんのnoteやブログといったこれまでの活動は継続されるのでしょうか?】

木原:3MPCのアドバイザーに就任したことによる活動の制限はありません。元々、noteやブログは、書きたいなと思うネタがあったときに投稿していたものになるので、今後も頻度は変わらないと思います。自身の発信の場としても、いままで通り更新していきたいですね。

【Q.3MPCによって強いプレイヤーが増えることはお二人にとって利益相反ではありませんか?】

木原:基本的に私も野崎さんも収入のメインとなるのは海外なので、日本人の強いプレイヤーが1人、2人出てきても正直影響はありません。強いプレイヤーの割合ってそう変わらないんですよ。元々、100人いれば85人とか90人以上が強いというフィールドで勝負しているので、多少増えたところであまり影響しません。それより、ミックスゲームなどで本当に強いプレイヤーが出てきたときはメリットのほうが大きいんです。ある程度のレベルに達してしまうと議論する相手がいなくなり孤独になるんです。なので、高いレベルで戦略の話ができる相手は本当に貴重。自分だけで考えていると限界がありますが、互いに議論することで新たな考えも生まれますし、強いプレイヤーが増えることはむしろ利益的になると考えています。

田中:新たなスターを生み出すことでポーカー業界が盛り上がり、木原さんや野崎さん

がこれまでに積み上げてきたキャリアを収益化できるというメリットもあると思います。

【Q.就任後、コミュニティを長期に渡って続けるにあたって具体的にどういった取り組みが大事になると考えていますか?】

木原:私が木原道場というコミュニティを4年間やってみて思ったのは、参加者が自由に発言できる環境のほうが長続きしやすいんじゃないかということですね。「ひどいプレイを食らって悔しい!」といった愚痴でもいいし、「ロイヤル引いたぜ!」とかでもいいと思います。参加者が発言しやすい雰囲気をつくるためたには、コーチやアドバイザーがくだらないことでもいいのでラフに発言していくのもアリだと思います。コーチだけが発信するコミュニティは、コーチも疲れてしまいますからね。参加者からの発言や質問があったほうがコンテンツも作りやすくなりますし、硬すぎない場を提供することがコミュニティを長続きさせるコツなんじゃないでしょうか? 

野崎:双方向型のサービスが大切だと思います。講義などは仕方ありませんが、コーチが一方的に配信するようなコミュニティはやっぱり続かない。ディスカッションやアクティビティで交流を図ることも大切ですよね。

木原:私自身おもしろい質問をもらって「なるほど!この内容を記事にしよう」と思うことも多いですね。そのほうが筆も進み、いい記事が書けます。

野崎:私たちはみなさんからの質問を待っているんですよね。いいとこに目をつけたよねっていう感じで、いい質問がきたときはすごくうれしい気分になります!

木原:もちろん、いい質問をしなければならないというわけではありません。素朴な疑問や率直な意見をぶつけてください。

野崎:質が悪いといくらコミュニティを作っても長続きしはしませんが、3MPCにはすでに質のいいコンテンツが揃っています。ポーカーを教える、強くなるということが大前提ですので、今後は二人の経験を取り込むことでさらに価値のあるコミュニティに成長させていきたいです。

【Q.3MPCメンバーで海外ライブ遠征などの予定はありますか?】

青山:海外遠征は3MPCが始まった当初から考えていました。今後機会があれば実現させていきたいです。

木原:WSOPは毎年行きますので、メンバーが「WSOPに参加します!」って言ってもらえれば案内できますよ!

【Q.これまで3MPCに入会した人は半年または1年でどれくらいレベルが上がりましたか?】

青山:10Nlzから半年で100Nlzまでといったわかりやすい変化はありませんが、ローンチしてからの10カ月ほどで、ある程度勝てるようになったという事例もあります。具体的な例では、50Nlzをかなり負け越していたといプレイヤーが、9か月間毎月1回のコーチングで今はウィンレートで4BBくらいで勝てるようになったという報告もあります。

【Q.海外カジノの情報なども教えてくれますか?】

野崎:どんなレートのどんなゲームがあるかは教えてあげられます。

木原:そういったことを気軽に聞いてもらえるようにするのも掲示板の役割ですね!

【Q.IR開発が2025〜2030年ごろに見込まれていますが、3MPCとしての展望などありますか?】

田中:はっきりと言いえないところもありますが、かなり関わっていく予定です。とはいえ、カジノの何かに協力するという形ではなく、あくまでも教育という観点からポーカー界の予備校的なポジションで携わっていく予定です。

【Q.1年間勉強しそれなりに上達した場合、海外で稼げるプレイヤーになれますか?】

木原:その人が今持っているスキルも、ポーカーに使える時間も違うので答えは“人それぞれ”です。そもそもポーカーは、1年間でここまで!という感覚のものではないんです。海外で活躍するほどのスキルを求めてない人にスパルタで教えるのも変だし、反対に海外で稼げるプレイヤーになりたいという人に向けたハイレベルなコンテンツがないのも困ります。それぞれにあった教材やコンテンツが用意できればなと思っています。

【Q.お二方の加入で今後3MPCのサービスにはどのような変化がありますか?】

田中:細々した変化はたくさんありますが、おもに初心者向けコンテンツの充実、明確なレベル分けが課題ですね。このほかにアミューズメント施設とのコラボといった新たな構想も準備しています。コロナ禍でなかなか実現できませんでしたが、今後はアミューズメント施設とコラボして、店舗でイベントを行ったりできるといいですね。

【Q.6+ホールデムも教えてもらえますか?】

田中:既存コンテンツの部活動でも研究している方がいらっしゃるので、今後体現していきたいですね。

【Q.KKで100Nlzで勝ち越せてますがポーカースターズはどのレベルからやればいいですか?】

青山:KKのレベルがわからないけど、バンクロール次第なのかな?

野崎:25くらいかな?ただ、すでにKKの100Nlzで勝っている人であれば、20とか25やってみて、勝てるかどうか雰囲気で調整すればいいと思いまます。十分相手の強さを判断できるレベルだと思うので。まずは25で様子を見て、行けそうだと思えば50やればいいんじゃないでしょうか?

木原:どのレートで勝てますか?だと難しいけど、どのレートやったほうがいいと思いますか?だと、なんでもやってみればいいじゃん!というのが正直な気持ちですね。だって、負けたっていいじゃないですか。勝たなきゃいけないっていう決まりがあるわけじゃないんだから、なんでもやってみればいいと思います。

【Q.3MPCが作ろうとしているコンテンツが今の日本にない理由は何だと思いますか?】

野崎:一番の理由はやっぱり手間がかかることですね。こういった教育のベースをイチから全部作ろうとしたら、ものすごい量になる。イメージでいうと、小学校から高校までのカリキュラムを個人で組み立てるのは難しいといった感じかな? 実現させるためには組織でそれぞれ分担してやっていくのが必要だと思うし、なんとか3MPCでそれを実現させたい。

木原:初心者向けコンテンツは基本的に利益が出にくいんですよね。少しポーカーをはじめてみたいなという初心者が、2~3万円の教材をいきなり買わないじゃないですか。ある程度強くなった人でないと有料会員になってみようかな?お金使おうかな?なんてならないですし。これだといいコンテンツが生まれないし、悪循環だと思うんです。高いレートまでつながった大きな組織でないと、利益のでにくい初心者向けコンテンツのケアは難しいですからね。

田中:運営から気が付いたことですが、コンテンツ作成者の想定していたレベルと、受け取る側のレベルが大きくかけ離れていたのも理由のひとつだと思います。

木原:そうですね。2セント、5セントで勝ち越せません!といった一般的な初心者もいますが、いわゆる5Nlzでチャラにできる人っていうのはじつはポーカー界でも確実に上位1%に入ってるんですよ。だけどそのレートっていうのは初心者的な扱いを受けるというギャップもあります。

野崎:そのあたりも含めて僕と木原くんでコンテンツを客観視して、品質を向上させていけるといいですね。


スペシャルアドバイザー就任会見の様子はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/uipPKEec65I

3MillionPokerClub
https://www.3million-pokerclub.com

株式会社Re-Raise
https://www.re-raise.co.jp/

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